Dr.エンドーのガッテン講座

講座その3:動脈年齢をわかわかしく!(1)大動脈硬化と動脈硬化とは?

高血圧がなくても物質の出入りがおかしくなると動脈硬化がひどくなることがわかってきます。
このような病気のことを最近メタボリック症候群などといったりして、まさに生活習慣病そのものです。

物質の出入りのおかしくなった状態の肝硬変の場合、若い時期になった肝硬変では、年相応の大動脈の粥状硬化や石灰化はまれです。
年をとってから肝硬変になった場合では大動脈硬化は明らかであります。
このことから一度起こった大動脈硬化はなかなか元には戻らないことを示しています。

これらのことは次のことを示しています。
肝硬変の状態では、血液中のエストロゲンが増加しています。
肝臓内で、エストロゲンは善玉コレステロール合成が高め、悪玉コレステロール合成を抑えています。血液中のエストロゲンが高いと、男性の女性化が目立ちます。
例えば肝硬変の患者で見られる女性化乳房とは男性の乳腺の大きくなった状態です。
睾丸の萎縮も目立ちます。
エストロゲンは血液中の動脈硬化にかかわるホモシステインというアミノ酸を低める作用があります。
血液中のホモシステインは長期透析中に増加し、透析時にみられる高度の動脈硬化の主因と考えられています。
したがって、女性ホルモンは動脈硬化を防ぐ力があると考えてもよいでしょう。

一般的に動脈硬化は、高血圧、糖尿病、高脂血症、腎臓病、肥満、喫煙歴などのリスク因子の期間に比例して悪化します。
適度な飲酒はアルコールの種類に関係なく動脈硬化を抑えるという研究報告があり、注目されます。
糖尿病の場合はとくに細い動脈硬化の方が目立ちます。
たとえば、目の網膜、腎臓の細い動脈、末梢神経の細い栄養動脈のかたさがつよくなります。つまり視力や腎機能あるいは手足の知覚などが鈍くなります。

心臓病では、冠動脈硬化の原因としてクラミジアやヘルペスウィルス、サイトメガロウィルスの感染が疑われる場合があります。
これは比較的まれなことですが、こうした考え方は新しい病気の見方であります。
動脈硬化についても、発想転換が必要な時代になっています。
血圧を整え、血液の善玉コレステロールを高め、喫煙などの酸化ストレスを減らしておくこと、そして血小板や内皮細胞を健全に保っておくことが、脳、心血管系の病気にならない秘訣です。
日頃から抗酸化物質の十分な補給と良好な脂質代謝の維持のためにコツで示したように食べ物を適切に選んでとることが大切でしょう。

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