Dr.エンドーのガッテン講座

講座その4:動脈年齢をわかりやすく!(2)動脈のつまり

動脈のつまり

動脈がつまるにはいくつかの原因があります。
これらの変化の引き金は動脈の内壁をおおう内皮細胞の障害です。
それは例えば高血圧という物理的な血流の力やタバコをはじめとする活性酸素によっておこります。
従来の動脈硬化の考え方は、土管の内側に湯垢がたまるように物質が蓄積して血管内腔が全体に狭められてつまるというものでした。
最近の動脈硬化の考え方は、これから述べるようにさまざまな細胞や生理活性物質による積極的な部分的なつまり(前述の粥腫形成)によるというものです。

高血圧では血液の流れが速くなり、血流の乱れが起きやすくなります。
そのようなところでは、内皮細胞表面は血流の乱れによるズレという微妙な変化に常にさらされています。
内皮細胞の細胞膜が壊れると細胞膜から生理活性物質(アラキドン酸、プロスタグランジン系)が遊離して、局所に炎症反応が起こり、血小板凝集が起こります。
血液の凝固系の各因子が動員され、また細胞反応としては旗振り役のマクロファージがかかわります。さらに血液中の悪玉コレステロールや脂肪の量が多いとマクロファージがこれらを貪食し、局所にとどまって細胞の集塊を形成します。
これが、中性脂肪やコレステロールを貪食したマクロファージの集まった粥腫(ジュクシュ)という塊です。
この局所では血液の流れがますます乱れ、血小板の凝集、凝固系の活性化が加わり、内腔が徐々に狭められます。動脈の平滑筋が可逆的にけいれんして、内腔を断続的に狭めます。

このようなことが心臓でおこると狭心症という症状となります。
この場合、心筋細胞は死んでおらず元に戻ります。最終的には内腔は詰まって、血流が遮断されます。
このように元に戻らなくなった心筋の壊死を心筋梗塞といいます。
治療が間に合わずに心機能停止という結果を招くこともあるでしょう。脳でおこると、脳卒中となります。
このような病気が最終段階までいたるのに年余の時間がかかるわけで、それだけ予防の時間がかせげることになります。
この場合、注目すべきは食べる脂肪分の内容です。コレステロール、中性脂肪、脂肪酸などについての知識は、最低限必要となりましょう。

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