Dr.エンドーのガッテン講座

講座その4:動脈年齢をわかりやすく!(2)動脈のつまり

善玉と悪玉コレステロール

以上のように心筋梗塞や脳卒中が起こる動脈硬化の原因には高血圧、高コレステロール血症があり、糖尿病や喫煙も要因として無視できません。
高コレステロール血症の治療薬として、コレステロール合成を抑える薬が開発されています。
血液中のコレステロールは消化管から吸収されるものと肝細胞で作られるものとがあります。

体内からのコレステロール補給は寿命のつきた赤血球の細胞膜から肝臓で組み立てられます。
コレステロールは肝臓で血液に放出される一方、胆汁中に排泄されて消化管に出て胆汁酸と結合して、脂肪の消化吸収にかかわります。

血液中のLDLコレステロールとはコレステロールの運び屋といわれ、これはリン脂質とリポ蛋白でできた袋のようなもので、その中に約1500個のコレステロール分子をいれて血液の中を流れています。
LDLコレステロールはしばしば悪玉コレステロールといわれていますが、何が何でも悪いのではなく、多すぎる量が問題です。
肝細胞の表面にLDLコレステロールの受け皿(受容体)があり、血液中のLDLコレステロールの量を調節しています。
肝細胞のコレステロールが下がると、血液中のLDLコレステロールを取り込みやすくなり、LDLコレステロール値が下がります。肝細胞内のコレステロールが増えると、血液中のLDLコレステロールは増加します。
つまり肝細胞がコレステロールつくらないようにすると、高コレステロール血症を治すことができます。肝臓のコレステロールを抑える薬がメバロチンをはじめとするスタチン系薬剤です。

読者の皆さんがすでにご存知のように、HDLコレステロールという善玉コレステロールを高め、LDLコレステロールを下げることが脳、心血管病予防の骨子です。
HDLコレステロールは女性ホルモンのエストロゲンでも男性ホルモンでも増加することが知られています。
また運動や適度なアルコール(ビール中ビン一本あるいはワインコップ一杯程度)でもHDLコレステロールを高め、動脈硬化を抑えることが認められています。

コレステロールの値と同時に、コレステロールの質も問題になります。
LDLコレステロールが活性酸素によって酸化されことはからだにとってマイナスであり、抗酸化物質の豊富な野菜や果物をとることは病気予防に重要です。
オメガ-3脂肪酸は抗酸化作用をもっており、サケやタラなどの魚をとることは動脈硬化を抑えることになります。
葉酸やビタミンB群の補助は血液中のコレステロールの状態を改善してくれます。

動脈をつまらせる血栓を防ぐにはアスピリンが有効です。アスピリンは血小板の凝集を抑えたり、炎症にかかわるアラキドン酸という物質をおさえます。
近年米国では高コレステロール血症がない人の心筋梗塞の危険性が問題となっています。
血清コレステロールが正常範囲でも、炎症マーカー(CRP)が高い人は要注意で、約1/3の人々がそれに該当するという重大な発表がありました。
日本人にそのまま当てはまるものではありませんが、要はコレステロールの値のみ気にしていればよいということに警告となりえます。

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