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治療の最前線

循環器内科で行っている治療

心臓や血管の病気の治療方法はたくさんありますが、今回は主要なものを幾つかご紹介します。

カテーテル治療

狭心症、心筋梗塞症などがカテーテル治療の対象となります。
当院では、①冠動脈形成術、②ステント治療を日常的に行っています。
また、足への動脈が狭くなる閉塞性動脈硬化症に対してのカテーテル治療も行っています。
このような治療は、症状、年齢、心電図、心臓超音波検査、カテーテル造影検査、心筋シンチ検査などを総合的に判断して治療を行っています。

冠動脈形成術(PTCA・バルーン治療・風船治療)

いわゆる風船療法と呼ばれている治療で、正式には経皮経管的冠動脈形成術(PTCA)と言います。
バルーン(風船)のついた特殊なカテーテルを、細い部位(狭窄)で広げることにより、狭くなった血管部分を押し広げる治療法です。
狭窄を解除することで血液を十分に心臓の筋肉に行き渡らせることにより狭心症の発作を押さえ、急性期心筋梗塞の後遺症を軽くすることができます。

狭心症に対する風船療法では、翌日からほぼ日常の生活をおくることができます。
風船療法の最大の問題点は、一度広げた血管が再び細くなる(再狭窄)ことがあることです。
このため、治療の3ヶ月後にカテーテル検査を行って、再び狭くなっていないか確認をします。

冠動脈ステント治療

冠動脈形成術(風船療法)の際にステント治療を行うこともできます。
ステント治療は、狭窄血管部にステントと呼ばれる金属製の筒(ばね)を広げた状態で置き、血管の内側から保持する治療法です。

治療後6ヶ月目にカテーテル検査を行って、広がったままかを確認します。(ステントでも再狭窄が15%に見られるため)
近年その再狭窄を予防するため、ステントに薬剤を塗布し、再狭窄を予防するための薬剤溶出ステントが用いられるようになりました。
(薬剤溶出ステントの再狭窄は、5%未満と言われています)

下肢血管形成術、下肢ステント植え込み術

下肢の動脈が動脈硬化により、狭くなったり、詰まったりする病気である閉塞性動脈硬化症に風船療法やステント療法が効果的な場合があります。
造影CT、血管エコー等で、適応のある患者さまに行なって効果をあげています。

ペースメーカー植込み術

洞機能不全や重症の房室ブロックなど、心臓が数秒以上止まる病気の場合に、心拍停止を防ぐために行う治療です。
右の写真に示す円形に近いジェネレータ(電池部分)を主に胸の皮膚の下に植え込み、長いリード(電線部分)を心臓の内壁まで挿入固定します。局所麻酔で行う手術です。

和温療法(温熱療法)

和温療法は医療用の低温サウナに入って全身を温め、深部体温を約1度上昇させる治療法です。1989年、鹿児島大学の鄭 忠和(ていちゅうわ)教授によって生み出されました。
実際の治療では、水圧のかかる入浴は体に負担がかかるため、全体を60度の均等な温度に設定した低温乾式サウナに15分間入り、全身を温めます。
その後30分間毛布や布団などで体を包んで保温して横になり、和温効果を持続させた後、発汗によって失われた水分を補給します。

サウナに入ったあとすぐにはまだ深部体温はそれほど上昇しません。
30分間、布団や毛布でくるみ保温することにより、体の深部体温がゆっくりと約1度上昇、副交感神経を刺激して全身の血管が広がり、心臓の負担を和らげます。
さらに血管内皮機能を向上させ、血管を丈夫にし、心臓の収縮力を上げてポンプ機能を向上させます。
利尿効果もあり、体にたまった余分な水分を排出することができます。

和温療法は幅広い治療に活用でき、患者さまは痛みやストレスなく、気持ちよく治療を受けることができます。また、安全で副作用のほとんどないのも大きな特徴です。
なお、和温療法は民間のサウナ療法や表層がんに使われる温熱療法とはまったく違うものです。
一般用のサウナは温度が90度ぐらいに設定されているので、急激に体温が上昇します。
そのため交感神経が緊張し、心臓に負担をかけるため、和温療法には使えません。
特に効果的なのが心臓疾患。慢性心不全や狭心症、糖尿病などによって血管が詰まって併発する閉塞性動脈硬化症といった病気は血管の機能が低下することによって発病します。
従来こうした疾患は薬や手術によって治療していましたが、和温療法を行うことによって非常に効果があることがわかりました。

そのほか、心臓の筋肉が弱ってくる心不全、全身の疲労が取れない慢性疲労症候群、全身に激しい痛みが起こる繊維筋痛症などにも効果を発揮しています。
なお、この治療法は慢性の疾患向きの治療で、重症の心不全や心筋梗塞の発作を起こしている人など、緊急の治療としては適していません。