家庭の医学

心疾患について(2)

血圧・不整脈・冠動脈以外の動脈の異常

血圧異常

血圧が正常より高い場合を高血圧とよび、低い場合は低血圧とよびます。血圧には、日内変動があり、1回の血圧測定だけで高血圧、低血圧とはいえません。

血圧とは、血管を流れている血液が、血管壁に及ぼす圧力のことです。動脈・肺動脈・静脈・毛細血管・心臓などでそれぞれの圧力を測定することはできますが、私たちがふつう血圧とよんでいるものは、動脈の血圧だけを意味します。

血圧の種類
血圧には、収縮期血圧・拡張期血圧・平均血圧などがあります。
収縮期血圧は、心臓が収縮している間に測定される最高の血圧値です。
拡張期血圧は、心臓が拡張している間に測定される最低の血圧値です。
血圧の変動の要因

血圧は血管の太さとかたさ、心臓の収縮の強さおよび血管のなかを流れる血液量などによって変化し、とくに血管の性状が量も大きな影響をもちます。

血管が神経やホルモンの影響で収縮すると、心臓の血液送血量が減らないかぎり、血圧は上昇し、動脈硬化や血管壁のむくみなどで血管がかたくなって、血圧は上昇します。たとえば、運動中または運動後には、心拍出量が増すために血管の血液送血量は増加し、血圧は上昇します。

一方、血管は拡張して、拡張期血圧はかえって下降します。すなわち、血圧は血管壁のかたさ、心拍出に必要な左室の収縮期圧およびその血管内の血液量に支配されます。高血圧として問題になるのは、血管壁のかたさであり、一般にみられる高血圧はこの種のものです。また、心拍出量の増加による高血圧の上昇を示しています。

血圧の測定

血圧の測定は、腕や脚に圧迫帯を巻つけて、圧を加えていき、その末梢の動脈の上に聴診器をあてて圧をしだいに下げ、血管音の聞こえはじめるところと消えるところを記録します。

身体部位による違い

通常左右の腕の血圧には多少の差があり、右側が高いことが多い。左右差がありすぎると、低いほうの血圧を示す腕の動脈の血流が、悪くなっていることを示すことがあります。

下肢の血圧は、上肢とほとんど等しいか、またはわずかに高いのがふつうです。
下肢の血圧が極端に低い場合には、下肢の血流障害があることを示しています。
とくに上肢の血圧が高く、下肢の血圧が低い場合には、胸部または腹部大動脈に狭い部分があることを示します。
血圧は、運動・食事・精神的緊張など、いろいろな条件で影響を受けやすい。
血圧測定は、一般には横になって15分以上安静にしてからはかるのが理想です。一般に臥位の血圧は座位の血圧よりも高めです。

1日の変化

  1. 血圧は一定しているものでなく、常に変化するものです。
  2. 血圧は1日のうちで睡眠中が最も低くなります。
  3. 朝目をさまし、活動しはじめると徐々に血圧は上昇します。
  4. 出勤途上、急いだりすると血圧は上昇します。
  5. 仕事のことで他人と口論したり、精神的に興奮したりすると、血圧はそのたびに上昇します。

この様に血圧は1日中いつでも一定しているものではありません。
診察室における血圧測定も、ある意味では患者さまにストレスを与える可能性が強く、そのような場合の血圧は正確とはいえません。したがって、何回か血圧を測定してみる必要があります。

血圧異常の分類

血圧異常には、高血圧症と低血圧症があります。
高血圧症は、WHO(世界保健機構、1993年)の基準により、また、低血圧症は、一般に次のように規定されています。

高血圧症:収縮期血圧 140mmHg以上 拡張期血圧 90mmHg以上
低血圧症:収縮期血圧 100mmHg以下
140mmHg以下 拡張期血圧 90mmHg以下

高血圧は1つの所見であって、血圧を高くする原因がある場合、これを二次性(続発性)高血圧とよび、この場合は、原因となるものを主として外科的治療で取り去ると血圧も正常になったりします。

しかし、原因になるものが不明で、血圧だけが高い場合を本態性高血圧または、一次性(原発性)高血圧とよんでいます。

引用・参考文献

金子 光・小林冨美栄 : 系統看護講座専門5 成人看護学2 医学書院 1990

厚生統計協会 : 国民衛生の動向、廣済堂印刷 1998

薄井坦子 : ナースが視る人体、講談社 1999

インターネット : 循環器病情報サービス(http://www.ncv.go.jp/cvdinfo/cvdinfo.htm)