家庭の医学

神経症(ノイローゼ)について(1)

神経症には必ず原因がある

神経症には、幾つかの特徴があります。まず神経症が、原因がはっきりしない内因性の分裂病や躁うつ病などと違って、必ず精神的な悩み、それも悩みぬいた葛藤のようなものが原因となって引き起こされる事です。

神経症は、ある出来事や人間関係など、本人にとってかなり精神的に葛藤を引き起こすようなことがあって、それがもととなって引き起こされる病気です。ですから、もしその出来事がなければ、当然その神経症は起こらなかっただろうと、他の人も納得できるような原因があるものなのです。

例えば、夫婦関係や嫁・姑の問題、病気、近親者の死、受験、仕事上の悩み、学校でのいじめ、災害、環境の変化など、その原因は人によって様々です。

にいうと、その原因が解消すれば、自然と神経症も治まることが多いのです。

神経症は体に異常はない

パニック障害(panic disorder、エピソード性発作性不安)という神経症があります。
これは、比較的新しい障害で、突然、発作的に大きな不安が生じる病気です。同時に頻脈や動悸が起こったり、息が詰まったり、めまい感、しびれ感、発汗などを伴い、時には、「このまま死んでしまうのではないか」というくらいの恐怖感に襲われます。
救急車で病院にかけつける人も少なくありません。ところが、病院でいくら検査しても、身体的には全く異常がありません。
身体的に全く問題がないのに、身体症状までも訴えられるというのも神経症の特徴です。

神経症になりやすい性格とは?

神経症には、原因があるといいましたが、同じ出来事が起こっても、神経症になる人とならない人がいます。つまり、その出来事を受け取る側の人によって、不安の度合いが違い、それが病気の発症につながっていくわけです。その受け取る側の人の違いというのは、本人の性格が元になって表れるといわれています。

では、どんなタイプの人が神経症になりやすいのでしょうか?ひと口に言うと偏った性格になりますが、ここでいくつかそのタイプをあげてみたいとおもいます。

  1. 神経質な人
  2. 感じやすくて傷つきやすい人
  3. 心配性な人
  4. 完全主義の人
  5. 自分に自信のない人
  6. 少しの汚れも気になる潔癖症の人
  7. 戸締まりなど何度も確認しなければ気のすまない確認癖のある人
  1. 依存的な人
  2. 引っ込み思案の人
  3. 内気で小心な人
  4. 融通のきかない人
  5. すぐ感情的になりやすい人
  6. 自己中心的な人

主な神経症の種類

種 類 症 状
パニック障害 理由もなく激しい不安に襲われ(不安発作、パニック)、動悸や頻脈など身体の反応も伴う
全般性不安障害 何となく漠然とした不安に常にとりつかれている状態
抑うつ神経症 何となく気分がふさぐ、重苦しい、悲観的といった気分がずっと続く
心気症 自分の体に常に注意を払って、実際には病気でないのに、病気であると思い込む
解離性障害
転換性障害(ヒステリ-)
本人自身が気づかない心のゆがみによって、運動や感覚機能、意識などに障害が起こる
強迫神経症 自分では不必要、不合理であるとわかっていながら、ある考えやイメ-ジを打ち消したり、衝動、行為などをやめる事ができない

参考文献

「心の病、その精神病理 大原健士郎 編」

「専門医が語るよくわかるこころの病気 遠藤俊吉、森隆夫 編」

「心の病の治療ポイント 平井孝男 編」

「精神病 笠原嘉 編」

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