家庭の医学

呼吸器について(3)

呼吸の病気について 3

呼吸不全と人工呼吸器

前回は、呼吸器の主な病気について説明しました。今回は、呼吸器の病気について、最新の医療の中からその一部をお話したいと思います。
以前に、呼吸によって体に必要なもの(酸素)と、いらなくなったもの(二酸化炭素)の入れ換えがなされることをお話してきました。それがうまくいかなくなり、動脈の中を流れる血液を調べたとき、その酸素の濃度がある一定量より少ないものを呼吸不全と言います。

呼吸不全になると心臓など重要な部分に負担がかかるので、いつも私達の周りにある大気より高い濃度の酸素を、機械によって外から送り込むいわゆる酸素療法の必要が出てきて、口や鼻から酸素を送ります。
その際、呼吸不全が著しくなってくると酸素マスクなどから送るやり方では、必要なものと必要でないものとの入れ換えが出来なくなってきます。
このようなときは人工呼吸器を使います。人工呼吸器は、本人に代わって機械が全面的に呼吸の機能を果たしたり、本人のもともとの呼吸を一部分助けたりするものです。

その人工呼吸器に最近新しいタイプのものが使われています。
人工呼吸器を使うときは、通常本人の口から肺に通じる通り道(気管)に管を入れて(これを挿管といいます)行われますが、挿管せずに口や鼻に当てるマスクを使用して、呼吸を助ける人工呼吸器も使われ始めています。

呼吸不全は慢性化してしまうこともあります。そのような患者さんの症状が急に悪化したときや、呼吸するのに必要な部分の筋肉の疲労が見られるとき、また、挿管することをためらうような場合などに、このマスク式の人工呼吸器が使われるようです。
尚、すでに挿管している人にも使えます。マスク式の人工呼吸器を使うと、気管に管を入れたときに細菌などが体内に入りやすくなる心配もなくなりますし、気管の中に管を入れると出来なくなる会話が出来るようになり、本人のストレスの減少にもつながります。そして、病院の中だけでなく自宅でも使え、自宅における酸素療法もより充実すると言えるでしょう。

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