ストレスについて
ストレスによる体の変化
初 期 | 進行期 | |
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感 情 | 緊張、不安、イライラ、焦燥感 | 抑うつ、無気力 |
思 考 | 初期は解決思考 | 集中力、判断力の低下 |
意 欲 | 亢進状態または普通 | 気分、根気の低下 |
心身状態 | 無症状、自律神経症、睡眠障害、不安障害(神経症) 心身症(高血圧、潰瘍、じんま疹) |
睡眠障害、不安障害(神経症) うつ病、心身症(症状固定、増悪) |
さまざまな「心の病」症候群
現代のストレス社会においては、さまざまな「心の病」症候群が増加しています。ここでは、そのうちのいくつかを紹介します。
- 燃え尽き症候群(バーンアウト・シンドローム)
- それまで一つの物事に没頭していた人が身体的、情緒的な極度の疲労により、無気力や自己嫌悪、仕事拒否になること。活動的で理想が高く、仕事に全力で取り組む猛烈社員などに多くみられ、ある時突然燃え尽きたように働く意欲を失い、職場に適応できなくなる。
- ピーターパン・シンドローム
- 情報化社会の中ではより専門化・高度化した知識・情報を必要としているため、既成社会の適応に対して常に不安を持ち、「大人」になかなかなろうとせず、また、「大人」になることを拒否する行動をとる。
- 空の巣症候群
- 夫婦と子どもで営んでいたはずの「愛の巣」が夫は仕事で留守がちとなり、子どもたちも思春期を迎えたり独り立ちするようになると、巣には主婦一人だけが残されるという虚ろな体験をする。抑うつ感や動悸などの身体症状がみられることもある。
- 無気力症候群
- 無関心、無気力、目標の喪失を自覚しながら治療を求めることは少ない。学業や仕事といった本分から逃避するが、それ以外では活発に活動する事例がみられる。厚生白書(平成9年)
ストレスによって起こる病気
神 経 | 血管性頭痛、筋緊張性頭痛、自律神経失調症、脳血管障害と後遺症、パーキンソン症候群など |
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精 神 | 不安神経症、ヒステリー、強迫神経症、心気症、うつ病、アルコール依存症、不眠症など |
循環器 | 高血圧症、狭心症、心筋梗塞、不整脈、神経循環無力症など |
心身状態 | 胃・十二指腸潰瘍、慢性胃炎、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、神経性無食欲症(拒食症)、多食症、神経性嘔吐症など |
呼 吸 器 | 気管支喘息、慢性気管支炎、過換気症候群、神経性咳嗽など |
泌尿器科 | インポテンツ、夜尿症、過敏性膀胱など |
内 分 泌 | 肥満症、糖尿病、心因性多尿症、頻尿症、神経因性膀胱など |
整形外科 | 全身性筋痛症、痙性斜頸、書痙、チックなど |
皮 膚 科 | 神経性皮膚炎、慢性蕁麻疹、円形脱毛症、多汗症、湿疹など |
産婦人科 | 月経障害、更年期障害、不感症、不妊症など |
小 児 科 | 登校拒否、チック、視覚障害、食行動異常、抜毛症、学習障害、自閉症など |
耳鼻咽喉科 | メニエル症候群、耳鳴り、嗄声、失声など |
ストレス解消の一般的な方法
ストレスの原因 | ストレス反応の例 | 解消方法 |
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欲求不満 目標達成が妨げられている | 精神的、情動的な反応 集中困難、記憶喪失、不安、恐怖、パニック、怒り、葛藤、攻撃的 | 認知療法的な解決方法 気づき・とらわれからの解放、自尊心・怒りの制御方法を学ぶ |
葛藤 不安な状況、決断を迫られる状況 | 行動的な反応 喫煙、飲酒、過食、A型行動、社会的な引きこもり | 行動療法的な解決方法 自己主張、社会的支援、柔軟性のある行動を学ぶ |
重圧 時間的な重圧、精神的な重圧 | 生理学的な反応 不規則な呼吸、筋緊張、疼痛、倦怠感、動悸、発汗、口渇、消化不良、アレルギー、高血圧、抑うつ | 生理学的な解決方法 呼吸法、気分転換、視覚化、瞑想、バイオフィードバック |
その他、ストレスの解消方法としては、十分な睡眠をとること、リラックスできる時間を持つことも大切です。
入浴(半身浴、温泉浴などが有効であると言われています)、音楽鑑賞、アロマテラビーなども有用になる場合もあります。
ただし過度のストレスにより心の余裕を持つことができなくなった場合など、一人で考え込まずに身近な人に相談することも一つの助けとなる場合もあります。