藤元総合病院の共同研究が平成24年度日本生体医学会論文賞・阪本賞を受賞しました
千葉大学大学院工学研究科田村教授と関根先生(現大阪電気通信大学関根准教授)及び藤元総合病院とで進めておりました共同研究において、論文の内容が認められ、平成24年度日本生体医工学会論文賞・阪本賞を頂きました。
論文のテーマは、「ウェアラブルモーションセンサを用いた片麻痺患者における歩行自立度の定量化」であり、当院からは、藤元登四郎理事長をはじめと
して、東 祐二、湯地忠彦主任、桑江 豊PT、貴嶋芳文PT の5人が参加しておりました。
本研究は、ウェアラブル動作計測システム(加速度・角速度センサからなる動作解析装置)を開発し、このシステムで得られる角度変位情報を基に、片麻痺患者の定量的な歩行自立度判定手法を提案したものです。
具体的には、当院の35 名の片麻痺患者様を対象に10m歩行テストを計測し、そのデータを基に、予め定めておいた歩行自立度の8つの判定指標を算出し、歩行の自立と監視の判定を試みたものです。
その結果、8つのうち、2つ以上の判定指標が陽性の場合は監視下での歩行と判定され、33名の被験者の判定で臨床上の判定と一致しました。
これによって、これまで、臨床上判定が難しく慎重にならざるを得なかった、自立歩行を許可する判断材料のひとつとして本手法は有用性を示すことが出来ました。
今後は、さらに、臨床応用すべく研究を重ねて行く考えであります。
これらの成果を上げることができましたのも、関係のみなさま方のご理解とご協力があっての事と感謝申し上げます。
また、それ以上に、快くご協力頂きました、被験者の皆様のおかげと感謝申し上げ、今後も精進してまいりたいと存じます。(文責:藤元総合病院 リハビリテーション
室長 東 祐二)
論文賞・阪本賞とは
日本エム・イー学会論文賞・阪本賞は、本会の対象領域とする学問および技術に大きな貢献をする論文の著者を表彰するもので、本会の論文誌 (「医用電子と生体工学」2003年より「生体医工学」)に発表された論文のうち特に優秀なものを選びその著者に贈呈するものです。